取り返しのつかない操作に承認を挟む
やり直せる操作は AI の判断ループに委ね、やり直せない操作に人間の承認を必須とする仕組みを構築します。具体的には、公開、削除、本番環境への書き込み、外部への送信などが後者にあたります。
この境界は、プロンプトで禁止するのではなく権限の設計で担保します。読み取りだけで完結する作業には、そもそも書き込み権限を渡さない環境の用意を徹底します。プロンプトは上書きされますが、権限のない操作には判断の余地がありません。
Methodology
これは完成した方法論ではなく、案件ごとに更新している現在の版です。 実務経験の長い方から見れば穴があるはずで、ご指摘は積極的にお待ちしています。
聞き取った要求を整理し、実装可能な要件へ翻訳したうえで、構造化した Markdown に版として固定します。以降の判断はすべてこの版を基準に行います。
→ 要件定義書(版管理)要件文からは確定できない項目を型別に洗い出し、確認事項の台帳にします。推測で埋めた箇所を、埋めたまま先へ流さないための工程です。
→ 発注元への確認事項リスト着手前に前提と完了条件を問答形式で確定させ、計画を文書にしてから AI へ渡します。実装中に仕様を決め直す必要のない状態を構成して、不毛な手戻りを防ぎます。
→ タスク仕様書完了時に、1 で固定した要件と実装を突き合わせます。どの要件がどの実装で満たされたかを追跡可能な形で残します。
→ 要件⇔実装 対応表推定で埋めた仮定を、仮定のまま実装へ流さない。
各段は AI コーディングエージェントの Skill として固定しており、案件ごとに手順が揺れません。工程そのものを設計対象として扱っています。
やり直せる操作は AI の判断ループに委ね、やり直せない操作に人間の承認を必須とする仕組みを構築します。具体的には、公開、削除、本番環境への書き込み、外部への送信などが後者にあたります。
この境界は、プロンプトで禁止するのではなく権限の設計で担保します。読み取りだけで完結する作業には、そもそも書き込み権限を渡さない環境の用意を徹底します。プロンプトは上書きされますが、権限のない操作には判断の余地がありません。
扱う文書には作成時点で機密区分を付与し、区分ごとに AI への入力可否をあらかじめ定めています。判断を作業中の裁量に委ねると、急いでいる時に基準が緩みます。
クライアントから受け取る情報については、公開情報・業務一般・機密・厳秘の4段階で取扱いを分け、匿名化の条件と入力禁止の範囲を文書として定義しています。
採用した設計だけでなく、検討して却下した選択肢と、その理由・日付を残します。記録がなければ同じ検討が繰り返され、一度出した結論の根拠も失われるためです。
エージェントのループから、人間の意思決定を外さない。
速度を捨てずに責任の所在を保つための前提だと考えています。成果物の責任が AI に移ることはありません。
Responsible agentic engineering, not vibe coding.
本ページに書いた形式は、このサイトの実装のほか、私が主導権を持つすべてのプロジェクトに適用しているものです。
掲載しているのは進め方の形式のみです。進行中のクライアント案件の要件・設計内容は 本資料に含みません。具体例はすべて、自身で運用している公開物から取っています。